GitHub Copilot、Cursor、Claude Code、Codex、Gemini Code Assist、Tabnineは、料金プランの契約単位も、組織としてのポリシー統制やデータ取扱いの方針も、1日あたりの利用上限も製品ごとに異なる。個人向けプランの価格だけで選ぶと、組織のポリシーを統制できるか、入力したコードが学習に使われるか、利用回数に上限があるかを見落としたまま契約することになりかねない。6製品を、料金プランの契約単位と価格、組織のポリシー統制とデータの学習利用・保持方針、1ユーザーあたりの利用上限という軸で比較すると、自社の統制要件に合う製品を絞り込みやすくなる。
AIコーディングツール6製品を比較する軸
料金プランの契約単位と価格を一次情報で確認できるのは、GitHub Copilot、Cursor、Claude Code、Codex、Tabnineの5製品である。Gemini Code Assistの公式ページには、料金プランの記載がない。
組織向けのポリシー設定とデータの学習利用方針を一次情報で確認できるのは、GitHub Copilot、Cursor、OpenAI(Codex)、Gemini Code Assist、Tabnineの5製品である。Claude Codeの公式ページには、組織向けポリシーとデータの学習利用方針の記載がない。
1ユーザーあたりの日次リクエスト上限を数値で公表しているのは、Gemini Code Assistである。
料金プランの比較
各製品の料金は、個人が契約する単位と、組織が座席単位で契約する単位に分かれる。
GitHub Copilotの個人向け・組織向けプラン
GitHub Copilotの個人向けプランには、Free(無料)、Pro(月10ドル)、Pro+(月39ドル)がある。組織向けには、GitHub FreeまたはTeamの組織が対象になるBusiness(1座席あたり月19ドル)と、GitHub Enterprise Cloud専用のEnterprise(1座席あたり月39ドル)がある。個人向けの料金は無料から月39ドルまでで、組織向けは契約しているGitHubプランによって選べる範囲が変わる。(GitHub公式のPlansページ、2026年8月7日時点)
Cursorの個人向けプランとTeams・Enterprise
Cursorの個人向けプランには、Hobby、Pro、Pro+/Ultraがある。Hobbyは無料で、月2,000回のコード補完と、優先度の低いキューで処理される追加リクエスト50回(公式表記でslow premiumリクエスト)を利用できる。Proは月20ドルで、無制限のTab補完と20ドル分のクレジット枠が付く。Pro+/Ultraは、Proと同じ機能を保ったまま利用枠を数倍に拡大したプランになる。法人向けのTeamsは、座席単価が月40ドル(standard)または月120ドル(premium)で、Enterpriseは個別見積りになる。(Cursor公式のPricingページ、2026年8月7日時点)
Claude Codeの利用に必要なアカウント種別
Claude CodeはCLI、または任意のデスクトップアプリとして提供され、macOS 13.0以降、Windows 10 1809以降、主要なLinuxディストリビューションに対応する。利用にはClaude Pro、Max、Team、Enterpriseのいずれかのアカウント、またはAPI Console、Bedrock、Vertex AI、Microsoft Foundry経由の契約が必要になる。無料のClaude.aiプランでは、Claude Codeを利用できない。(Anthropic公式のGetting Startedページ、2026年8月7日時点)
Codexのクレジット制への移行
Codexは2026年4月2日付で、ChatGPT Plus、Pro、Businessの既存プランと新規のEnterpriseプランを対象に、料金体系を変更した。従来はメッセージ単位の課金だったが、APIのトークン使用量に基づくクレジット制に移行した。この変更により、費用の基準はメッセージ数ではなくトークン使用量になる。(OpenAI公式のCodex rate cardページ、2026年8月7日時点)
Tabnineの2プランと価格
Tabnineの料金プランは2つある。コード補完とIDE内チャットを中心にしたプラットフォームは、1ユーザーあたり月39ドル(年間契約)である。CLIや自律エージェント機能を含む上位プランは、1ユーザーあたり月59ドル(年間契約)である。(Tabnine公式のPricingページ、2026年8月7日時点)
権限管理とデータ取扱いの違い
組織としてポリシーを統制できるかどうか、入力したコードが学習に使われるかどうか、Zero Data Retention(ZDR)がどの契約で使えるかは、製品ごとに条件が異なる。この違いは、GitHub Copilot、Cursor、OpenAI(Codex)、Gemini Code Assist、Tabnineの5製品で確認できる。
GitHub Copilotのポリシー管理とアクセス制御
GitHub Copilotのエンタープライズ・組織向けポリシー設定では、Copilot CLIなどの個別機能や、エージェント、利用できるモデルへのアクセス可否を制御できる。ユーザーが複数の組織に所属している場合は、最も制限の少ないポリシーが適用される。複数のエンタープライズに所属している場合は、最も制限的なポリシーが適用される。(GitHub公式のPoliciesページ、2026年8月7日時点)
CursorのPrivacy ModeとZero Data Retention
Cursorのprivacy modeを有効にすると、入力したコードはモデルの学習に利用されなくなる。Cursorは、利用するAIモデルプロバイダとのあいだでZero Data Retention(ZDR)契約を結んでいる。Team・Enterpriseプランでは、管理者がPrivacy Modeを組織全体の既定として有効化し、メンバー側での無効化を禁止できる。(Cursor公式のPrivacyページ、2026年8月7日時点)
OpenAIのビジネス向けデータ方針とZero Data Retention
OpenAIは、ChatGPT Enterprise、Business、Eduなどのビジネス向けプランと、APIについて、明示的なオプトインをしない限り、入力と出力をモデルの学習に利用しない方針を取っている。追加の保証となるZero Data Retention(ZDR)は、Enterprise契約でのみ利用できる。(OpenAI公式のBusiness data privacyページ、2026年8月7日時点)
Gemini Code Assistの学習利用方針とEnterprise限定機能
Gemini Code Assistは、StandardとEnterpriseの両方のエディションで、プロンプトと生成された応答をモデルの学習に利用しない。プロンプトと応答は、応答の生成だけに使われる。Enterprise版だけは、組織のプライベートなコードベースに基づいてカスタマイズする「コード最適化」機能を追加で提供する。(Google公式のHow Gemini Code Assist worksページ、2026年8月7日時点)
Tabnineのデプロイ形態とコンプライアンス認証
Tabnineは、2つの料金プランのどちらでも、SaaS、VPC、オンプレミス、エアギャップ環境への完全プライベートデプロイメントに対応する。両プランともゼロコード保持ポリシーを取り、GDPR、SOC 2、ISO 27001に準拠する。(Tabnine公式のPricingページ、2026年8月7日時点)
利用枠・レート制限の違い
1ユーザーあたりの日次リクエスト上限を数値で公表しているのは、Gemini Code Assistである。エージェントモードとGemini CLIでの日次リクエスト上限は、Standard版が1,500件、Enterprise版が2,000件である。これとは別に、チャットなどのリクエストは1日960件、コード生成などのリクエストは1日6,000件が、両エディション共通の上限として設定されている。日次の上限は、開発者1人あたりの利用頻度が高いチームほど、契約するエディションの選択に直接関わる数値になる。(Google公式のQuotasページ、2026年8月7日時点)
自社の要件から製品を絞り込む基準
契約先のプラットフォームに縛られるか、組織全体にポリシーを強制できるか、Zero Data Retentionが契約の種類に左右されるか、利用上限が数値で公開されているかという4点を、ここまでの比較から絞り込みに使える形で整理する。
コスト規模で絞り込む
GitHub CopilotとCodexは、契約するGitHubまたはChatGPTのプラン次第で選べる範囲が変わる。GitHub CopilotのBusinessとEnterpriseは、契約しているGitHub Free・TeamかEnterprise Cloudかで、選べる組織向けプランが決まる。Codexは、ChatGPT Plus・Pro・Businessの契約に加え、クレジット制の使用量が追加のコスト要因になる。CursorとTabnineは、契約しているプラットフォームに関わらず、座席単価だけで組織向けプランを選べる。
権限統制の要否で絞り込む
組織全体にポリシーやプライバシー設定を強制する必要がある場合は、GitHub CopilotのエンタープライズポリシーとCursorのPrivacy Mode強制設定を確認する。GitHub Copilotは、機能・エージェント・モデルへのアクセス可否を組織単位で制御でき、複数の組織や複数のエンタープライズに所属するユーザーへの適用順位も定義されている。Cursorは、管理者がPrivacy Modeを組織全体の既定にし、メンバーによる無効化を禁止できる。
データ保持要件で絞り込む
入力データの学習利用を避ける必要がある場合、OpenAIのビジネス向けプランとAPI、Gemini Code Assistの両エディション、Tabnineの両プランは、いずれも既定で学習に利用しない方針を取っている。Zero Data Retentionという契約上の保証まで必要な場合は、対象が契約の種類によって分かれる。OpenAIはEnterprise契約でのみZDRを提供し、CursorはモデルプロバイダとのあいだでZDR契約を結んでいる。Tabnineは、デプロイ形態自体をSaaS、VPC、オンプレミス、エアギャップから選べる点が異なる。
利用量上限で絞り込む
1日あたりの利用回数を確認する必要がある場合、日次リクエスト上限を数値で公表しているのはGemini Code Assistだけである。エージェントモードとGemini CLIの上限は、Standard版が1,500件、Enterprise版が2,000件になる。ほかの製品を選ぶ場合は、契約前に上限の有無を公式ページで直接確認する必要がある。
契約単位で見ると、GitHub CopilotとCodexは既存のプラットフォーム契約に選択肢が縛られ、CursorとTabnineは座席単価だけで組織向けプランを選べる。データ保持では、OpenAIのZDRはEnterprise契約に限られる一方、Tabnineはデプロイ形態そのものを選べる。この違いを踏まえて、料金だけでなく契約の縛りとデータ保持の条件を公式ページで確認しておくと、契約後の想定違いを避けやすい。