画像生成AIは、広告バナー用の写真風画像、文字入りのSNS投稿、資料に使う図解など、用途によって必要な機能と権利条件が変わります。生成結果の見栄えだけで選ぶと、公開時に文字を直せない、入力素材を利用する権利がない、法人利用の条件を満たさないといった問題が起こります。
比較前に、用途、入力素材、公開範囲を決めます。同じ指示と素材で候補を試し、修正回数、編集機能、無料枠、商用利用条件、非公開設定を一つの表へ記録すると、制作工程に合うツールを絞れます。
画像生成AIとは
画像生成AIは、文章や参考画像を入力すると、その内容に沿った画像を作るAIです。新しい画像を作るだけでなく、背景の差し替え、画像の外側の拡張、部分修正、文字の追加に対応するサービスもあります。
代表的な候補には、Adobe Firefly、ChatGPT Images、Midjourney、Ideogram、Canva AI、Stable Diffusionがあります。同じ指示を渡しても、構図、人物、文字の再現、部分修正の方法は異なります。完成物をどのツールで仕上げるかまで含めて比較します。
無料で生成できる範囲と、公開・販売に使える条件は別の項目です。無料枠の上限、生成物の公開範囲、商用利用、入力素材の権利を個別に調べます。
画像生成AIの選び方
最初に決めるのは用途です。広告のラフ、記事のサムネイル、商品撮影前の構図案、社内資料の図、SNS投稿では、完成物に求める精度が異なります。
次に見るのは、入力する素材です。文章だけで作るのか、手元の写真、ロゴ、人物、商品の画像を加工するのかによって、必要な許可が変わります。他者が作った画像を入力する場合は、加工と外部サービスへのアップロードが許可されているかを確かめます。
候補を比べるときは、次の項目を一枚の比較メモへ記録します。
| 比較項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 用途 | 写真風、イラスト、文字入り、図解、既存画像の編集 |
| 入力素材 | 文章だけか、写真・人物・商品・ロゴを使うか |
| 編集 | 部分修正、背景変更、拡張、比率変更ができるか |
| 文字 | 日本語を含む文字が読める形で出るか、後から直せるか |
| 無料枠 | 回数、更新周期、透かし、出力サイズ、公開範囲 |
| 権利 | 商用利用、第三者権利、人物同意、利用規約の例外 |
| 社内管理 | 非公開設定、履歴、アカウント、入力データの扱い |
無料枠だけで候補を決めると、公開時に作り直すことがあります。試す段階から、完成物をどこで使うかまで決めておくと、比較結果をそのまま採用判断へ使えます。
画像生成AIの比較一覧
次の表は、2026年7月20日に各社の公式ページで確認した内容です。プラン、生成上限、規約は更新されるため、利用直前にリンク先を再確認してください。
| ツール | 向く用途 | 無料で試せるか | 主な編集・運用 | 商用利用で先に見る条件 |
|---|---|---|---|---|
| Adobe Firefly | 写真素材の加工、デザイン工程 | 日次の無料生成あり | 生成、部分修正、Adobe製品との連携 | Fireflyモデルと提携モデルの条件を分ける |
| ChatGPT Images | 会話しながらの生成・修正 | Freeを含む全プラン、上限あり | 指示を重ねた生成、既存画像の編集 | OpenAI規約と入力素材の第三者権利を見る |
| Midjourney | 構図や表現の案を反復する制作 | 無料プランなし | ウェブ・Discord、公開とリミックス | 会社規模によるプラン条件、非公開設定を見る |
| Ideogram | 文字を含む画像の候補作り | 無料枠は未確認 | 文字レイヤーなどの機能を提供 | 出力の非固有性、入力・出力の権利を見る |
| Canva AI | テンプレートを使うデザイン工程 | 利用上限は契約と機能で確認 | Canva内の素材、編集、共同作業 | ライブラリ素材を含む出力の例外を見る |
| Stable Diffusion | 独自環境、API、大量処理の検討 | APIに初回25クレジット | APIまたは自社環境での組み込み | 対象モデル、売上規模、利用形態のライセンスを見る |
操作の分かりやすさに加えて、入力素材の扱い、生成物の公開範囲、会社規模によるライセンス条件まで含めると候補が変わります。画像以外の文章、調査、開発支援も同じ基準で選びたい場合は、AIツール全体の比較軸を確認できます。
おすすめの画像生成AI
Adobe Fireflyは、既存素材を編集し、Adobeの制作工程へつなげたい場合の候補です。公式プランページは、契約なしでも画像、動画、音声を日次の上限内で生成できると案内しています。Adobeは、自社のFireflyモデル出力を商用利用できると説明していますが、Firefly内で使える提携モデルは別途判断するよう求めています(2026年7月20日確認、Adobe Fireflyのプランと商用利用条件)。
ChatGPT Imagesは、会話の中で画像を作り、既存画像の一部を選んで修正したい場合の候補です。画像生成と編集はFreeを含む全プランで利用でき、Freeには別の利用上限があります(2026年7月20日確認、ChatGPT Imagesの公式案内、ChatGPT Freeの利用条件)。OpenAIの利用規約では、適用法の範囲で利用者が出力を所有します。同じような出力が他の利用者にも生成される可能性や、入力に必要な権利は利用者が確認します(2026年7月20日確認、OpenAIの利用規約)。
Midjourneyは、構図や表現の案を数多く出し、反復したい場合の候補です。公式プランはBasic、Standard、Pro、Megaの有料契約のみです。2026年5月27日発効の規約では、原則として利用者が生成物を所有します。ただし、年商100万米ドルを超える企業やその従業員は、所有条件を満たすためにProかMegaが必要です。生成物は既定で公開・リミックス可能で、Stealth ModeはProとMegaに限られます(2026年7月20日確認、Midjourneyのプラン比較、Midjourneyの利用規約)。
Ideogramは、文字レイヤーなどの文字機能を含む画像作りを比較したい場合の候補です。文字の正確さは言語と指示で変わるため、実際の文言を入れて比較する必要があります。公式規約は出力の商用利用を制限していませんが、出力は固有とは限らず、第三者の権利を侵害しない確認は利用者が担います(2026年7月20日確認、Ideogramの利用規約)。価格ページは機械的に取得できなかったため、無料枠は断定していません。
Canva AIは、画像生成からテンプレート編集、共同作業までをCanva内で続けたい場合の候補です。CanvaのAI製品規約では、適用法の範囲で利用者が出力を所有します。ただし、Canvaのライブラリ素材を変更・組み込んだ出力などには例外があります。入力と出力に必要な権利の確認も利用者の責任です(2026年7月20日確認、CanvaのAI製品規約)。
Stable Diffusionは、対象モデルを自社環境やAPIで扱い、生成処理を組み込みたい場合の候補です。Stability AIのCommunity Licenseは、対象のCore Modelsについて、年商100万米ドル未満の個人・組織による商用利用を認めています。年商が基準を超える組織が商用利用する場合はEnterprise Licenseが必要です。APIは初回25クレジットを案内しています(2026年7月20日確認、Stability AIのライセンス、Stability AI APIの料金)。モデルごとに適用ライセンスを確認してから組み込みます。
用途別に選ぶおすすめの画像生成AI
写真風の広告ラフには、参考画像を入力でき、部分修正や背景変更を続けられるツールが向きます。商品写真を入力する場合は、商品の形、ロゴ、色、影が意図せず変わっていないかを元画像と比較します。
文字入りバナーには、実際に載せる日本語を入れ、読める形で生成されるか、後から文字だけ修正できるかを比べます。生成画像を背景として使い、文字はデザインツールで組み直す工程にすると、表記と可読性を管理しやすくなります。
資料図解では、装飾の多さより、要素の関係が正しく伝わることを優先します。数値や固有名詞を画像に焼き込むと修正しにくいため、図形と文字を分けて編集できる工程が向いています。
大量生成や定期処理では、API、ライセンス、費用上限、保存先、再現性を比較項目へ入れます。担当者の画面操作だけで続けるより、生成条件と採用理由を記録できる仕組みが必要です。
最初の比較には、同じ依頼を各候補へ渡します。
自社のオンラインセミナー告知に使う横長の背景画像を作成してください。人物、会社ロゴ、文字は入れません。青と白を中心に、右側へ見出しを置く余白を確保してください。16:9のPNGを想定します。
見る点は、余白、比率、不要な文字、既存ブランドとの類似、修正回数です。余白が足りない場合は、「他の要素を変えず、右側の空白を全体の40%まで広げて」と範囲を限定して直します。
画像生成AIの商用利用と著作権の注意点
各社が「商用利用可」と説明していても、第三者の著作権、肖像、商標を侵害しない保証とは分けて考えます。規約が示すのは、サービス提供者と利用者の間での出力の扱いや利用条件です。既存作品や人物に似ている生成物を公開できるかは、個別の確認が必要です。
文化庁は、判例や裁判例の蓄積が十分ではない中で、「AIと著作権に関する考え方」とチェックリストを公開しています(2026年7月20日確認、文化庁のAIと著作権)。資料の射程は一般的な考え方の整理までです。
公開前の確認項目は次の通りです。
- 入力した写真、イラスト、ロゴを加工する権利があるか。
- 実在人物や社員の顔・声を使う同意があるか。
- 生成物が既存作品、キャラクター、商品、ロゴに似すぎていないか。
- 利用プランと会社規模が商用利用の条件を満たすか。
- AI利用の表示やContent Credentialsなど、媒体・取引先が求める表示があるか。
- プロンプト、入力素材、生成日、採用画像、修正内容、確認者を記録したか。
未公開の商品写真や顧客データを入力する場合は、権利だけでなく情報管理も必要です。生成AIのセキュリティ対策と合わせて、保存、学習利用、共有範囲を確認してください。
画像生成AIの活用例
広告ラフでは、撮影やデザイン制作へ入る前に、構図と色の方向性を複数案で比べられます。採用した生成案は完成品として扱わず、制作チームへ渡す参考資料にすると、権利と品質を後工程で確認できます。
記事のサムネイル案では、主題をどの図形やモチーフで表すかを検討できます。正式なタイトル、ロゴ、ブランド色は後工程で決定的に組むと、文字崩れや表記違いを減らせます。
商品撮影前には、カメラの角度、背景、小物、余白の案を作れます。生成画像を実在する商品の写真として公開せず、撮影指示書の構図案にします。
社内資料の図では、工程や関係者の配置案を作れます。生成された数値や文章は使わず、担当者が元資料と照合して入れ直します。
SNS投稿では、同じ内容で構図を変えた案を作り、ブランド基準に合う候補を絞れます。公開後に反応を比べる場合は、画像以外の文言、配信時刻、対象者をそろえないと、画像による差を判断できません。生成条件と採用理由も履歴に残します。
まとめ
画像生成AIは、用途、入力素材、編集、文字、無料枠、公開範囲、権利、社内管理を同じ表で比べると選びやすくなります。無料で試せる候補でも、商用条件や非公開設定は導入前の検討項目です。
まず、公開前に捨てられる一つの題材を選びます。同じ指示と素材を二つの候補へ渡し、完成までの修正回数、権利条件、管理のしやすさを記録してください。利用直前に公式ページを読み直し、公開物の権利と内容は担当者が最終判断します。