「ナノバナナ」を検索すると、Nano Banana、Nano Banana 2、Nano Banana Proという複数の名称が並び、どのモデルを指しているのか、どこから使い始めればよいのか迷います。名称を混同したまま操作すると、想定と違う解像度で出力されたり、仕事で使う際に規約の確認が漏れたりします。
Nano Bananaは、Googleの画像生成・編集モデル「Gemini 2.5 Flash Image」の通称です。2026年時点のNano Bananaは3系統に分かれ、無印のNano BananaはGemini 2.5 Flash Image、Nano Banana 2はGemini 3.1 Flash Image、最上位のNano Banana ProはGemini 3 Pro Imageに対応します。いずれもGeminiアプリと、開発者向けのGemini APIから利用できます。3系統のどれを使うかを決めるところから、Geminiアプリまたは Gemini APIでの生成・編集の実行、そして仕事で使う前に確認する規約とデータ取扱いまでを、公式情報に基づいて順にまとめます。
Nano Bananaとは何か:呼称とモデルの現在地
Nano Bananaという呼び名は、Googleが正式発表する前の開発中コードネームでした。Google Developers Blogでの発表時には「Gemini 2.5 Flash Image」という製品名が使われ、Nano Bananaはこのモデルを指す通称として広がりました。発表日は2025年8月26日です。
2026年時点のNano Bananaは3系統に分かれます。無印のNano BananaはGemini 2.5 Flash Image、Nano Banana 2はGemini 3.1 Flash Image、最上位のNano Banana ProはGemini 3 Pro Imageに対応します。海外メディアTHE DECODERの解説(2026年8月7日確認)によると、Nano Banana 2はWeb検索による視覚的グラウンディングと最大14枚の参照画像の入力に対応し、0.5Kから4Kまでの多段階の解像度で出力できます。Nano Banana Pro(Gemini 3 Pro Image)は、Google DeepMindの公式ページで1K、2K、4Kの解像度出力に対応し、詳細な画像生成・編集、テキスト生成、被写体の一貫性維持を強みとする最上位モデルと説明されています。
使い始める前に確認すること
画像生成・編集を始める前に、利用する経路によって確認する条件が変わります。Geminiアプリはマーケティング担当者やデザイン担当者がアプリ上のUIから直接操作する窓口で、Gemini APIは開発担当者がプログラムから呼び出す窓口です。
Geminiアプリを使う場合の条件
Geminiアプリでの画像生成・編集には年齢条件があります。画像の生成だけであれば13歳以上、既存の画像を編集する機能を使うには18歳以上が必要です。利用にはGoogleの利用規約への同意に加えて、他者の著作権やプライバシー権を侵害しないことへの同意も求められます。
APIを使う場合の条件
Gemini APIを使う場合は、開発担当者が実装者としての利用目的を前提に操作します。Google AI StudioとGemini APIは、消費者向けではなく開発者向けの利用を前提とした窓口として提供されています。入出力の仕様や対応する機能の範囲は、開発担当者が実装前に確認しておく項目です。
Geminiアプリで画像を生成・編集する手順
Geminiアプリでの生成・編集は、画面上でモデルを選び、テキストで指示を入力する操作です。マーケティング担当者やデザイン担当者は、このアプリ画面から直接操作します。
モデルを選ぶ(Lite/通常/Pro)
Geminiアプリの画像生成では、Flash-Lite相当の「Nano Banana 2 Lite」、Flash/Pro相当の「Nano Banana 2」、Google AI Plan加入者向けの「Nano Banana Pro」の3つから選べます。この3つの選択肢はいずれもNano Banana 2かNano Banana Proの系統に属し、Gemini 2.5 Flash Imageに対応する無印のNano Bananaはアプリの選択肢に含まれません。ダウンロードできる解像度は、Google AI Planに加入していれば2K、加入していなければ1Kです。
生成・編集を実行し、成功・失敗を確認する
生成・編集は、テキストで指示を入力し、Geminiが画像を返す対話形式で進みます。同一キャラクターを異なる背景に配置したり、複数の入力画像を1枚に統合したりする編集ができます。生成された画像には、AI生成物であることを示すSynthIDの電子透かしが埋め込まれます。
指示した内容が画像に反映されていれば成功で、担当者はそのまま次の操作を継続します。反映されていない場合は、指示文を書き直して再検証します。ダウンロードした画像の解像度が想定と異なる場合は、条件変更としてGoogle AI Planへの加入状況を見直し、必要ならプランに加入または変更したうえで再度実行します。
Gemini APIで画像を生成・編集する手順
Gemini APIからNano Bananaを呼び出す場合、指定するモデルIDはgemini-2.5-flash-imageです。実装は開発担当者が担当します。
入出力の仕様と対応・非対応機能
入力・出力はともに画像とテキストを扱え、入力トークンの上限は65,536、出力トークンの上限は32,768です。キャッシング、構造化出力、バッチAPI、Flex/Priority推論に対応します。一方で、音声生成、コード実行、ファイル検索、関数呼び出し、Thinking機能には対応していません。
要件定義の時点で、これらの非対応機能が必須要件に含まれると分かった場合は、開発担当者はその時点でGemini 2.5 Flash Imageでの実装を中止し、対応する機能を持つ別のモデルを検討します。対応機能の範囲内であれば、そのまま実装を継続します。
キャラクター一貫性・複数画像合成などの主要機能
Gemini 2.5 Flash Imageは、同一キャラクターを異なる背景に一貫して配置する「キャラクター一貫性」、複数の入力画像を1枚に統合する合成、自然言語による対話的な編集、Geminiの世界知識を活用した生成に対応します。生成された画像にはSynthIDの電子透かしが埋め込まれ、AI生成物であることを識別できます。このモデルは、Gemini API、Google AI Studio、Vertex AIから呼び出せます。
モデル別の機能と料金を比較する
3系統のモデルの違い
3系統で異なるのは、対応する解像度と主要機能。
| モデル(通称) | 対応するGeminiモデル | 主な特徴 |
|---|---|---|
| Nano Banana | Gemini 2.5 Flash Image | 入力トークン上限65,536、出力トークン上限32,768、キャラクター一貫性・複数画像合成に対応 |
| Nano Banana 2 | Gemini 3.1 Flash Image | Web検索による視覚的グラウンディング、最大14枚の参照画像入力、0.5K〜4Kの多段階解像度出力 |
| Nano Banana Pro | Gemini 3 Pro Image | 1K/2K/4Kの解像度出力、詳細な画像生成・編集、テキスト生成、被写体の一貫性維持が強み |
APIの料金体系
Gemini APIでNano Bananaを使う場合の標準料金は、入力が100万トークンあたり0.30ドル、出力が画像1枚あたり0.039ドルです。1024×1024ピクセル以下の画像は1290トークンとして計算されます。Batch APIやFlex推論を使うと、入力は0.15ドル、出力は0.0195ドルまで下がります。
同じ料金表にあるテキスト用のGemini 2.5 Flashは出力が100万トークンあたり2.50ドル、Gemini 2.5 Proは入力1.25ドル、出力10.00ドル(プロンプトが20万トークン以下の場合)です。画像生成専用のGemini 2.5 Flash Imageは、テキスト生成用のモデルとはトークン単価の設計が異なります。
Geminiアプリのプラン別利用回数
AI総合研究所の記事(2026年8月7日確認)によると、Geminiアプリの消費者向けプランでは、Google AI Plusが1日50枚、Google AI Proが1日100枚、Google AI Ultraが1日1,000枚まで画像生成できます。Google AI Ultraには月額14,500円と32,000円の2つの料金があり、どちらのプランでもNano Banana ProやNano Banana 2の生成上限が拡張されます。
仕事で使う前に確認すべき規約とデータ取扱い
商用・社内利用を検討する場合、情報システム担当者や法務担当者が規約とデータ取扱いを点検します。
商用利用の位置づけ
Gemini API利用規約は、Google AI StudioとGemini APIの利用を「プロフェッショナルまたはビジネス目的で開発する開発者向け」と位置づけています。消費者向け利用は対象外と明記されているため、社内システムや製品への組み込みを検討する場合、情報システム担当者はこの規定を前提に契約や利用範囲を確認しておきます。
生成物の所有権とGoogleの利用権
Gemini API利用規約では、生成したコンテンツの所有権をGoogleが主張しないと定められています。同時に、Google自身が同一または類似のコンテンツを他の利用者に提供する権利も留保されています。利用者には法令遵守と適切な帰属表示が求められるため、生成物を製品や記事に使う場合、情報システム担当者や法務担当者はこの所有権と留保権の両方を契約条件として確認しておきます。
無料版・有料版のデータ取扱いの違い
無料版(Unpaid Services)と有料版(Paid Services)では、入力や生成物の扱いが異なります。無料版では、入力や生成物がGoogle製品の提供・改善・開発に利用されます。有料版では、プロンプトや応答をモデルの改善に利用しない一方、違反検出の目的で30日間保存されると規定されています。
社内の文書や画像を入力する場合、情報システム担当者はどちらの版を使っているかでデータの扱いが変わる点を把握しておきます。無料版のデータ利用範囲が自社のデータ方針に合わない場合は、有料版への切り替えを検討するか、その用途への導入自体を見送ります。